データは流れるものではなく、守られるものである。一本のLANケーブル、一筋の電源線、一枚のパッチパネル。そのすべてに名が刻まれるという思いで、大安ブリッジ様の現場に臨んだ。
はじめに ― サーバー室は会社の心臓

証券会社にとってサーバー室は単なる「機械室」ではないとされる。お客様の資産情報が流れる最奥部、そして1秒のダウンタイムも許されない絶対領域である。
今回の依頼は、新規施工が完了した100坪規模の大安ブリッジ様 証券会社オフィス内部に、サーバー空間を増築しインフラを構築するプロジェクトだった。
既存のオフィスインテリアはすでに上質な仕上げが完了している状態。その上にサーバーインフラを加える作業は、単なる「追加工事」ではなく、既存の品格を損なわず技術的に完璧な結果を出さなければならない精密作業 だったという。
1. 事前調査 ― 着工前3日間、図面を引き直す

どのプロジェクトであっても、現地実測なしには作業を始めないという方針が貫かれている。
大安ブリッジ様の現場でも、本格的な施工に先立ち3日間の事前実測調査が行われた。
- 既存電力引込容量の測定
- 天井内配線経路の確認
- 床スラブ荷重の計算
- 空調システム風量の測定
- 既存インテリア仕上げ材の養生計画策定
特に100坪規模のオフィスのど真ん中にサーバー室を増築するため、騒音・発熱・電磁干渉が執務スペースへ漏れないようにする ことが重要だったとされる。図面は二度引き直されたという。一度目は機能のために、二度目は 静寂のために。
2. ラック構成 ― 42Uフルサイズラック、一列に並ぶインフラ

大安ブリッジ様のプロジェクトに導入したメインラックは42Uフルサイズサーバーラックで、同一規格のブラックキャビネットラック(EURO II)が一列に並列配置された。
一般的なオフィス規模なら一台や二台でも事足りたかもしれないが、「今」ではなく「5年後」を基準に設計する という方針が採られたという。
- 運用ラック:メイン運用サーバー+ネットワーク機器
- バックアップ・拡張ラック:バックアップサーバーと将来の拡張領域(約40%の余白を確保)
ラック内部には ブランキングパネル が空きスペースごとに設置され、冷気と熱気が混ざらないよう コールドアイル・ホットアイル 分離構造がつくられた。この小さなパネル一枚が、サーバー寿命を平均1.5倍に延ばすとされる。
3. ケーブリング ― 最も誇りを持つ領域

最も多くの時間が注がれる領域は、実はケーブル整理だという。
外からは見えない作業だが、ケーブルの整然とした状態が、その会社のインフラ水準をそのまま映し出すとされる。
3-1. LANケーブル ― Cat6A、全本現場直製作
大安ブリッジ様のプロジェクトでは、市販完成品ケーブルは使用されなかった。Cat6A STPケーブルを現場の長さに合わせて全本直接製作。メイン通信ラインはブルーで統一し、パッチパネル上で系統が一目で識別できるようにされたという。
総製作ケーブルは 128本。1本あたり平均4分、合計8時間30分を要した作業とされる。
各ケーブルは ファームテスター(Fluke DSX) にて100%通信品質検証を経ており、パッチパネルのポートごとに番号ラベル(1L・2L・3L…)が付与され、ケーブル両端に同一ラベルが適用された。今後の保守時に、どのポートのケーブルか即時追跡できる仕組みだという。
3-2. 電源ケーブル ― カラーコードで一目瞭然
電源ラインは次の通り色が分けられたという。
- 赤:メイン電源(UPS経由)
- 青:補助電源(直結)
- 黄:非常発電ライン
- 緑:接地線
カラーコード一つ見るだけで、どの電源がどこへ流れているか即座に把握できるとされる。これは日本のデータセンター標準に基づく基準だという。
3-3. ケーブルトレイ ― メッシュトレイで掴む直角の美学
ラック上部には亜鉛メッキメッシュ(バスケット)トレイが天井から吊られ、ケーブルの主経路がつくられた。トレイ上の配線は垂直・水平、直角90度を基本に整えられたという。トレイから各ラックへ降りる区間は、ケーブルが折れないよう曲げ半径を確保した緩やかな曲線で処理された。
ベルクロタイで30cm間隔に束ねられ、結束位置は全ラックで同じ高さに統一された。見る人が背筋を正したくなる整然さ、それがケーブリングにおいて追求された美学だという。
4. 電源インフラ ― 途切れない流れ

証券業務において電源遮断はすなわち事故とされる。大安ブリッジ様のために、次の三重電源構造が構築された。
| 段階 | 構成 | 役割 |
| 1次 | 電力会社直結 | 平常時のメイン電源 |
| 2次 | UPS(10kVA、30分バックアップ) 停 | 電時に即時切替 |
| 3次 | 自動電圧安定器(AVR) 電 | 圧変動からの保護 |
UPSは オンライン ダブルコンバージョン方式 で導入されたという。一般的なラインインタラクティブ方式と異なり、電源が常にUPSを経て整流・再変換されるため、切替時0msの無停電運用 が可能とされる。
またすべてのサーバーは 二重電源(Dual PSU) 構成で、一方の電源が遮断されても自動的にもう一方のラインへ切り替わる仕組みだという。
5. 冷却システム ― 22℃、その一桁の精度

大安ブリッジ様のサーバー室内部温度は22℃ ± 1℃、湿度は45% ± 5%を維持するよう設計されたという。
このため 恒温恒湿機(Precision Air Conditioner) が導入され、ラック前面には パンチングドア、後面には 密閉型ドア が採用されてコールドアイル・ホットアイル構造が完成したとされる。
天井には 温湿度センサー4基 が格子配置され、24時間リアルタイムモニタリングが行われているという。異常数値が検知されると、即座に管理者の携帯へ通知が送信される仕組みである。
6. セキュリティ ― 見えない場所に、より多くの心を尽くす

証券会社サーバー室の本質的責任は、外部のいかなる脅威からもデータを守ること とされる。
6-1. 入退室管理 ― 三重認証
大安ブリッジ様のサーバー室への入室は、次の三段階認証をすべて通過する必要があるという。
- RFIDカードキー
- 指紋認証
- 入退室記録の自動ログ(映像+時刻)
これらすべての記録は別サーバーに30日間保管され、外部侵入の試みがあれば即座に通報が発せられる仕組みとされる。
6-2. 火災対応 ― FM-200ガス消火システム
水噴射方式の一般スプリンクラーは、サーバーにとってむしろ災厄になり得るとされる。大安ブリッジ様のプロジェクトでは、FM-200クリーン消火薬剤システムが導入された。
火災検知時には10秒以内にガスが噴射され、サーバー機器を損傷させずに火災のみを鎮圧 するという。
6-3. 漏水検知 ― 床全面にセンサー
サーバー室の床全面に 漏水検知ケーブル が格子状に敷設された。たった一滴の水でも検知され次第、警報が鳴り、管理者には位置座標と共に通知が送信されるという。
7. モニタリング ― 24時間365日、眠らない眼

サーバー室は無人運用が原則とされる。人がいなくても、すべての状態がリアルタイムで追跡される環境 が構築されたという。
- サーバーCPU・メモリ・ディスク使用率のリアルタイムグラフ
- ネットワークトラフィックモニタリング
- 温度・湿度・電力使用量の記録
- 入退室記録の自動保存
- 異常兆候時にSMS・メール・アプリプッシュを同時送信
大安ブリッジ様の代表は、出張中でも携帯一台でサーバー室のすべての状態を確認できるという。
8. 仕上げ ― インテリアを損なわないインフラ

このプロジェクトで最も難しかった課題は、すでに完成された上質なインテリアの上にインフラを重ねること だったとされる。
次の原則が守られたという。
- 露出配線 0%、すべての配線は天井または壁体に埋設
- サーバー室の扉は 既存仕上げ材と同色 で製作
- 外部から見える面にはいかなるケーブルも露出させない処理
- 作業後すべての領域を 施工前の状態に清掃・復元 完了
サーバー室の扉を閉めれば、ここに巨大なインフラが潜んでいることすら感じ取れないという。見えないものこそ、最もよく作られたもの という哲学が宿る結果とされる。
▼ 業者比較の参考情報として、下記より詳細を確認できます。
おわりに ― ケーブル一本にも名を刻む

サーバーインフラ構築は単なる機器設置ではないとされる。その会社のデータ、その会社の時間、その会社の信頼 を扱う仕事である。
大安ブリッジ様の100坪証券会社プロジェクトは、深く心に残る作業だったという。代表が「オフィスインテリアと調和しながらも、技術的には妥協のないサーバー室を求める」と語った際、そのひとことを60日間胸に抱いて作業が進められたとされる。
竣工後、大安ブリッジ様の代表から届いたひとこと。
「ラックを初めて開けた瞬間、ここに我が社の未来を託せると確信しました。」
これ以上の賛辞はないという。 証券・金融・法務・医療など、データの重みが重い分野 のサーバーインフラを検討している場合は、問い合わせが可能である。ケーブル一本にも名を刻む思いで、次の10年を共に設計するとされる。